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スクラムで挑んだ新機能開発 チームで描いたプロダクトの未来

2022年12月にオープンβ版をリリースした『LegalForce』の「オンラインエディタ機能」について、3回にわたり開発秘話を深掘りするこの連載。
最終回の今回は、エディタパーティ*のメンバー全員が登場。オープンβ版をローンチした時のこと、実際にエディタ機能を使ったお客様からの反応、チームの未来などについて語ってもらいました。
(これまでの記事はこちら 第1回第2回

* パーティとは、ミッション単位で構成される開発チームのこと。フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニア、デザイナー、QA(品質保証)エンジニアといったプロダクト開発に必要な役割を担うメンバーが所属している。

中野 学(なかの・まなぶ) LegalForce開発部 プロダクトマネージャー
黒田 佑太(くろだ・ゆた)  同 バックエンドエンジニア(リード)
何 韋宏(ほ・うぇいほん) 同 フロントエンドエンジニア(リード)
北尾 謙二(きたお・けんじ) 同 QAエンジニア(リード)
高木 勇気(たかぎ・ゆうき) 同 バックエンドエンジニア
米屋 孝貢(よねや・たかつぐ) 同 バックエンドエンジニア
山越 祐希(やまこし・ゆうき) 同 フロントエンドエンジニア
川上 大智(かわかみ・だいち) 同 QAエンジニア

3名でスタートした開発。スクラム導入でそのスピードが加速

― 契約書のレビュー、編集がブラウザ上で完結する『LegalForce』の「オンラインエディタ機能」ですが、どのようなメンバーで開発が進められたのでしょうか?

中野 プロダクトマネージャーが私、バックエンドがリードの黒田さんと高木さん、米屋さん、フロントエンドがリードの何さんと山越さん、同じチーム内にQAもあって、リードの北尾さんと川上さん。
それと、ここにはいませんがデザイナー1名も加わり計9名のパーティで開発を行いました。

― 当初からその体制で?

中野 いえ、初期は私と黒田さん、何さんの3名だけで、2021年9月頃に「そもそも開発できるのか?」の検証からスタートしました。
その後数ヶ月の間をおいて、バックエンドの高木さん、QAの北尾さんが参画し、5名体制でベータ版の開発を進行。
2022年7月のクローズドβで手応えを感じたので、そこから増員し、2022年の9月に今の体制になりました。
『LegalForce』において「ブラウザ上でそのまま編集ができるようになる」というのはユーザー体験の大きな変革なのでリソース確保が必要である、と会社に増員を要請したかたちです。

― 開発メンバーが急激に増えるなかで、開発思想の共有や知識量のギャップに課題は出なかったのでしょうか?

中野 そこまで問題は出ませんでしたが、新メンバーがスムーズに参画できるように、という意識は強くもっていました。
ちょうどその頃はスクラム開発の手法を導入した時期でもあって、透明性の担保やナレッジの共有などを徹底していました。
スクラム開発で重要なのはメンバー同士の密なコミュニケーションです。
ここを大切にしつつ、相手任せにせずに協力しながら業務を推進したこと、自分たちで作成したスクラムの運用ガイドを礎にしながら協力体制を構築したことで、新メンバーもスムーズに参画できたのではないかと考えています。

― なるほど。ではその頃実際に参画されたメンバーはどうでしたか?

米屋 入社と同時にパーティに加わったのですが、そもそもプロダクトの知識もあまりない状態で……
オンボーディング時に高木さんから「わからないことがあったら聞いて」と言われていたのを頼りに、色々と質問してしまいました。
でも、聞いたことだけでなくその背景まで詳しく説明してもらえたおかげで、キャッチアップが早かったと思います。
また、オープンβまでの開発ロードマップが非常によく整備されていたので、「何をすればいいのか」の理解は早かったですね。

川上 QAとして参画した自分も、あまり困った記憶はありません。
一般的にQAは開発チームと別で組織されることが多いのですが、当社の場合同じパーティとしてアサインされます。
開発状況やナレッジが逐一共有されるので、キャッチアップも早かったですし、パーティに馴染むのもスムーズでした。

オープンβ版開発はわずか半年弱の短期間で行われた

― クローズドβが2022年7月、オープンβが12月と開発期間がタイトだったと思いますが、苦労はありませんでしたか?

黒田 開発体制をスクラムに変更するのに苦労しましたね。
初の試みでしたし、メンバーが増える1ヶ月後までに急ピッチでシステム確立する必要もありました。
ただ、結果的に開発スピードが上がったので、やって良かったと思います。
変化のスピードが速い会社なので、スクラムで柔軟に開発を進めていくほうが向いているのでしょう。

― 黒田さんはスクラム開発の中心だったと聞きました。特に大変だったと思います。
フロントエンドはどうでしょうか?

山越 エディタ機能はユーザーの操作パターンが多彩です。
それら全てを想定しながら開発を進めるのは苦労が多かったですね。
リードの何さんがエディタ開発におけるフロントエンド開発の知見をドキュメントで蓄積してくれていたのが、非常に助けになりました。

― 情報共有は本当に密にやっていたのですね。QAはどうでしょうか?

北尾 開発メンバーが優秀すぎて大変でした(笑)。
開発スケジュールが押してQAにかけられる時間がタイトになる、といったようなケースはよくあるのですが、エディタパーティはその逆で……
次から次に前倒しでテスト依頼が飛ぶので、フル稼働で対応していました。

― メンバーが優秀とのことですが、具体的にはどういうことでしょうか?

中野 高度なスキルセットをもっているということもあるのですが、それ以上に「なぜやるのか?」「より良いエンジニアリング的な解決法は?」「やりたいのは本当にそれか?」など、一歩掘り下げた思考ができるメンバーがそろっているという印象です。

― 技術的な問題だけではないのですね。

中野 はい。優秀なメンバーが集まるのは、エンジニア専門の採用チームがあり、常に採用活動においてPDCAを回しているためだと思います。

大きな節目となったオープンβ版リリース

(手前左から)川上、中野、何。(奥左から)北尾、黒田、米屋、高木、山越

― 2022年12月は待ちに待ったオープンβ版リリースでした。心境はどうでしたか?

高木 ホッとしたのがいちばんです。同時にバグが出ないかビクビクもしていました。
それで、毎日使用状況をチェックしていましたが、2,000社以上で利用いただいていたのを見て、うれしくなりましたね。

黒田 感慨深かったですね。自分の場合、エディタパーティの発足と入社がほぼ同時だったので。

 入社以来最大のプロジェクトで、自分の会社人生の7割をかけたものでした。
エディタ開発の知識もないなかで毎日「無理だ」「難しすぎる」とグチをこぼしながら取り組んでいたので、チームの力で達成できたときは本当にうれしかったですね。

川上 エディタパーティの開発体制に参加したくて入社を決めたくらいなので、非常にいい経験でした。
オープンβ版リリース時に、みんなでリリース作業を見守ったことを鮮明に覚えています。
まるで文化祭みたいな一体感がありましたね。

― 皆さんそれぞれ思うところがあったということですね。PdMの中野さんはいかがですか?

中野 契約書の編集というのは、他の文書以上に信頼性・確実性が問われます。
非常に難度が高い開発でしたが、正直心配はしていませんでした。
信頼できるメンバーがいましたから。
ただ、不測の事態には備えていましたね。ここまでがんばってきて、最後に問題が生じて、みんなの努力が水の泡になってしまうのはあまりにもったいないので。

編集機能を備えた『LegalForce』が進むべき道は?

― 利用したお客様の反応はいかがでしたか?

中野 まだ直接声を集めるところまではできていないのですが、問い合わせなどを見ると「エディタ機能、いいですね」「待望していました!」といったポジティブな声が多く見られました。

― それはうれしいですね。エディタ機能のこれからについてお聞きできますか?

中野 当然、今後も開発は継続していきます。
直近では、契約書の体裁をそろえるなど、ストレスフリーに使える機能を実装する予定です。
正式版提供の際には、既存機能との連携も視野に入れ、新たな価値提供ができるようにしていきたいですね。

― それは期待大です。そうした機能の充実で、法務業務はどのように変わると考えられますか?

中野 契約書に関する一連の業務を、「『LegalForce』でもできる」から「『LegalForce』でやったほうがいい」に変えていきます。
契約書の編集作業を従来のツールからスイッチしていき、最終的には「さらなる契約書編集体験の向上」を提供することが目標です。
オンラインエディタ機能は単なるツールと見られがちですが、そうではなく私たちは「リスクなく業務を遂行できる」という価値を開発しているのだ、という思いで日々取り組んでいます。

― そうした高い意識がメンバー全員に浸透しているからこそ、短工期で高品質な開発が可能になっているのですね。
本日はありがとうございました。

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