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サービス改善と個人の底上げを促進。ユーザーフィードバックの社内展開がうまいと言われているアノ人の取り組み

企業によっては開発組織と営業組織が分断されていて、情報共有の徹底が不十分という環境もあるのではないでしょうか。
当社では、お客様からいただいたサービスに対するフィードバックや、メンバーへのフィードバックをオープンチャンネルで共有するようにしています。
今回は、周りから「アノ人のフィードバック、いいよね」と言われている、ある営業担当者の取り組みをご紹介したいと思います。
この取り組みが何か皆さんのご参考・共感を得るものになれば幸いです。


法律事務所や大手企業で経験を積み、そしてLegalOnへ

─ 寺町さんのキャリアは、法律事務所から始まったんですね。

もともとは弁護士を目指していたんです。
大学で法学を専攻し、予備試験※を経て弁護士資格を取得しようと思っていました。
ただ、予備試験の合格率は約3%(令和4年のデータ)と難関なので、大学卒業時には「働きながら浪人しよう」と考えていました。
そんな時に、ちょうど法律事務所の求人を見つけ、仕事をしながら勉強ができる環境に身を置きたいと思い、入所しました。

※予備試験:法科大学院を終了した者と同等の学識を有するかを判定し、合格したら司法試験の受験資格が付与される試験。

─ その後にリクルートへ転職されたんですよね。

法律事務所での仕事はあくまで事務員だったので、弁護士のサポート業務がメインだったんです。
1年半弱いる中で徐々にやりたいことが変わっていき、「裁量が大きい」「主体的に取り組める」「事業を先導できる」職種に就きたいと思い、営業職にキャリアチェンジしました。
そこでは、ホットペッパービューティーの営業担当として100社程のクライアントをもち、お客様の継続支援を担っていました。
この経験が今に活きていると感じます。

─ 次にLegalOnですね。

大手企業での営業経験は勉強になる部分がたくさんあり、自分にとっては大切なターニングポイントでした。
ただ、働く中で「完成しきっていないサービスを扱う領域に挑戦してみたい」という感情が芽生えて…… それならスタートアップやベンチャーかなと思い、企業を探し始めました。
人材紹介のエージェントに相談する中でLegalOnを知り、自分の経歴との親和性が高かったので「ここは私のための会社だな」と思いまっすぐ進みました(笑)。

お客様から上がったニーズを別のお客様に当て、共通ニーズを吸い上げる

─ LegalOnに入社してからの業務内容を教えてください。

入社当初は新規のお客様獲得を担い、2022年10月からはカスタマーサクセス(以下、CS)に異動して、契約締結後のお客様の継続支援を行っています。
法律事務所に所属する弁護士のお客様を主に担当していて、扱うサービスはAIで契約書のレビューを支援する「LegalForce」です。

─ セールスとCSとで、お客様から上がってくる声やフィードバックの内容は異なりますか?

LegalOnのセールスは、お客様と関わる期間がとても短くて、1か月〜2か月というスパンになります(※EBUを除く)。
短期間で「LegalForce」の基本的な機能をお客様に十分ご理解いただく必要があるので、基本的に声を頂くというよりもこちらがお伝えすることの方が多いですね。

反対にCSは、1年単位で契約いただいているお客様と長く向き合うので、お客様との打合せごとに要望ヒアリングを行い、こちらからさまざまな活用方法や今後の求められそうな機能のご提案を行っています。

─ 異動前後でお客様との接し方が異なりますが、意識的に変えていった部分はありますか?

基本的にサービスを活用してもらい、サービスに対する満足度を上げるところは同じですね。
ですがCSになってからは、サービスのコンテンツや機能に対して何か要望がないかを必ずヒアリングし、収集するようにしています。
また、お客様から上がったニーズを「先生だったらどう思われますか?」と別のお客様にぶつけてみて、共通のニーズを集めることも大切にしています。
これらの行動から、お客様共通の課題とニーズを吸い上げることができ、そしてどれくらいのニーズがあるのかが明確になると考えています。

─ すでに出ているニーズを他のお客様にぶつけてみることで、ニーズの存在を明確にできますね。

一人のお客様から上がった要望だと、なかなか開発リソースを割くことは難しいと思いますが、複数のお客様から同様の要望が上がっているのであれば、前向きにプロジェクトが動くはずです。
また、LegalOnの特徴でもありますが、お客様から伺ったご意見は、必ずSlackのフィードバックチャンネルに投稿して、メンバーの目にふれるようにしています。

お客様から引き出したニーズを開発サイドへ共有・連携し、循環させる

─ 少し前の話題に戻りますが、お客様のニーズの引き出し方について、何かコツがありますか?

自分でもサービスを使い、お客様の活用状況をヒアリングした上で何かアイデアが浮かんだら、私から「現状はないけど、こういうコンテンツ・機能ってどう思われますか?」と提案をしてみて、「確かにそれがあったら助かる」という合意の引き出しをしています。
商談で「何か要望ありますか?」と聞いても、お客様は多忙でサービスのことまで考える余裕がないですし、サービスでどこまで実現できるのかもわからないので要望は出てきません。
私が行っているのは期待値を上げすぎず、ある程度できそうかもという範囲内でアイデアを出し、お客様と壁打ちをしているイメージですね。
壁打ちの中で出た意見や要望は、開発サイドへフィードバックするようにしています。

─ お客様からもらったご意見を開発サイドに共有する際、意識していることはありますか?

お客様から頂いた要望の意図するところを、わかりやすく説明するよう意識しています。
なぜ、それが欲しいのかという背景があれば開発の方々もイメージが持ちやすいですし、例えばニュアンスが違くとも似通った要望の背景であれば、点在するニーズをつなぎ合わせて検討することも可能になるのではと思っています。
ただ、私自身も商談時にわからない専門用語を聞くことがありますし、わからないまま開発サイドに伝えることはできないので、使用する場面や契約内容をヒアリングし、「こういう文脈で使いたいと要望を受けています」といった形で共有するようにしています。

─ 開発サイドからはどのような反応をもらえますか?

皆さん本当に優しくて、私がフィードバックしたり、要望の共有をたくさんしたとしても、PdMの方々や法務開発の弁護士の方々などが「検討します」とか「開発スケジュールとして、少し先になる」「現在進めている最中」と必ず反応をしてくれます。
時にはミーティングを設定していただき、具体的にヒアリングして熟考してくれるので、私としては自信を持って「開発サイドで検討します」とお客様に伝えられるのがうれしいです。
開発サイドが全部拾ってくれるので、私も1か月に何回も意見を挙げてしまうんですよね(笑)。

─ 組織体制によっては営業と開発の連携が難しいと思いますが、LegalOnは回避できているんですね。

営業と開発の連携は難しいとよく聞きますよね。
私個人の考えですが、組織ごとの規模が大きいほど関係性が離れていく傾向があるので、「営業は売る。開発は作る。」と思っていると、徐々にお互いの意見を拾わなくなるのかもしれません。
私は双方の分野に尊敬の念をもつことが必要だと思っていて、お互いに補完しながら会社としてサービスを提供していくというのが理想だと思っています。

LegalOnの場合は、営業と開発がうまく連携できていると思います。
その背景として、社内コミュニケーションツールにSlackを用いていることが大きいです。
Slackで投稿すると、部署に関係なくスタンプやコメントで返してくれる文化があるので、見てくれている、検討してくれているという実感を得られます。
そのため、また情報を共有しようという意欲の醸成につながりますね。

具体的なフィードバックで、メンバーの成長と事業を先導できるように

─ ここまではプロダクト関連でしたが、メンバーへのフィードバックはどうされていますか?

実は2023年1月から、他チームからCSメンバーとして新たに1名が加わり、私がメンターとして付いたのでフィードバックする機会はとても増えました。
その新メンバーはもともとインサイドセールスに所属していたので、お客様への訴求の仕方も異なりますし、キックオフをどうすればいいのかわからないという状態から始まって…… 機能レクチャー、商談同席、お客様へのヒアリングの仕方、提案の仕方など、全てにおいてフィードバックする感じでしたね。
あの頃は、自分のやり方が正しいのかわからずに悩んで、周囲のメンバーや他チームにも相談しながらアドバイスをもらって反省を繰り返していました。

 具体的にはどのようなアドバイスを貰っていましたか?

LegalOnの場合、Slackのチャンネルでフィードバックを書くのですが、私はすごい長文で1から10まで全部書いてて……これに対するアドバイスとしては、こんな感じです。

・まず何を言いたいかを冒頭に書く。
・それを踏まえて、伝えたい内容より具体的なフィードバックをその下の項目にどんどん書いていく。

・そうしないとつながっているフィードバックがつながっているように感じないから受け取る側としてもわかりづらい。

・フィードバックだけでなく、商談前にこの商談はどういう流れでする想定なのかを作成してもらう。
・メンバーの商談に同席してフィードバックするだけでなく、自分の商談にも同席をしてもらい、 あらかじめ準備した内容と、自分が提案してお客様からヒアリングした内容がどれほどマッチしてるのかレポートを作成してもらう。
・メンバーのフィードバックばかりしても提案の引き出しが増えず、いつまでたっても提案ができないので、自分の商談に同席させて伝えないといけない

当初は私が商談で話した言い回しやクロージングの仕方をメンバーがそのまままねしていたんですが、これらのアドバイスを実践したところ、最近では提案の引き出しが増えて、自分の言葉でしっかり説明できるようになってきました。
今はもう商談に同席していませんが、席が近いので注意して耳を傾けていると、新しい言い回しが増えてきて、私もうれしくなっています。

─ 寺町さんご自身の経験の中で、「こんなフィードバックのされ方は苦手だ」といったエピソードはありますか?

私は受けたことはありませんが、抽象的なフィードバックはしたくないと思っています。
例えば「これはだめ、あれはだめ。あとは自分で考えて。」とかです。
受けた本人としてはフィードバックが欲しくて聞いたのに、何を改善したらいいのかわからないですよね。
あとから1on1とかで答え合わせをするのならいいですが、改善点があるのに教えないのは問題だと思うので、私は具体的なフィードバックをするように意識しています。

─ これから挑戦してみたいことは何ですか?

今回は、ありがたいことに他メンバーから寄せられた声を頂いて取材を受けさせていただきましたが、フィードバックの方法について、私としてはまだまだ未熟だと思っています。
今でもフィードバックの仕方に悩むことがありますし、周りのメンバーからアドバイスを頂くこともあります。
受ける側にとって、今後の改善を試みやすいフィードバックができるよう模索中です。
ちなみに提案の引き出しうんぬんの話がありましたが、LegalOnの場合、メンバーだけでなく「契約ウォッチ」という契約の概念から学べるオウンドメディアもあるので、そういったコンテンツから学ぶこともできる環境になっています。
これからもさまざまな情報や方法を駆使しながらメンバー同士で切磋琢磨し、事業を先導していきたいと思っています!

寺町さんありがとうございました!
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