見出し画像

7年で5度オフィスを移転した企業が語る、オフィス移転プロジェクト成功のコツ

オフィス移転はときには1年以上かかる長期プロジェクトであり、社内外のやりとりも多く、何から取り組めばよいか分からない方も多いのではないでしょうか。

LegalOn Technologiesは2024年4月に豊洲から渋谷へ、5度目のオフィス移転を実施しました。
今回は移転のプロジェクトリーダーを務めた関に、プロジェクトの円滑な進め方やトラブルの対処法などをインタビュー。
これから移転に関わることになる方の参考になる内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

関 紀子(せき・のりこ) 人事グループ
2022年4月に総務・ファシリティー担当として入社。オフィスサービスやオペレーション業務の運用・改善といった総務業務の他、オフィス増床、地方拠点立ち上げ等にも従事。本社移転の際は、プロジェクトリーダーとして約1年半、プロジェクト全体のコスト管理をしながら、コンセプト設計から各ロジの構築、移転後のケアまで社内外のステークホルダーと協働して推進。

オフィス移転は足かけ1年8ヶ月のビッグプロジェクト

渋谷新オフィスの執務室。旧オフィスでは営業部門と開発部門が別オフィスにあった時期もあったが、渋谷では同居することに。

― 移転プロジェクトを時系列で教えてください。動き出しは2022年の8月頃だったんですよね?

はい。まず最初に新オフィスの要件をまとめるため、各部署のリーダーにファシリティ面での改善点やオフィスへの要望などのヒアリングを行いました。

―社内のヒアリング後、内装業者のコンペがあったそうですが、これはいつ頃ですか?

コンペは2022年の11月ですね。
各社に要件をお伝えしたのが10月で、コンペ資料をご提出いただき最終決定するまででだいたい3か月かかりました。
3社の内装業者にプレゼンいただき、イメージに近い提案内容でコスト面でも合致したところにお願いしました。

― 依頼する内装業者が決定した後、移転プロジェクトが具体的に始動したのはいつ頃ですか?

2023年の1月頃です。そこから内装業者との定例会議を開始しました。
また、このタイミングでファシリティ、ネットワーク、セキュリティ、さらには広報とデザインの役割に分けて、移転プロジェクトに担当者をアサインしました。
ファシリティは私、ネットワークとセキュリティに関してはIT部門から担当者を選出してもらいました。

― 以降はこのメンバーと内装業者で、1年以上をかけてプロジェクトを進めたのですね(ここで選定した内装については、こちらの記事で詳しく紹介しています)。 そうして、2023年12月にオフィス引き渡し、2024年1〜3月に専有部工事という流れですが、この工事でLegalOnが関わったのはC工事だけですか?
※ 新築ビルへの移転の場合、入居までにA〜Cの3種類の工事が発生する。A工事は建物の外壁や外装、エレベーターなどが対象で躯体がメイン、B工事は空調設備、防災設備など専有部でも建物全体に関わる部分で、A・B工事共オーナーが業者に依頼する。C工事は専有部のうち建物に影響を及ぼさない範囲の工事でテナントが業者に依頼する。

B工事にも少しだけ関わりました。 オフィスレイアウトや間仕切りの設計によっては、それに付随してB工事が発生することもあったので。 この作業がB工事になるのかC工事になるのかというのはこちらでは判断が難しいので、都度内装業者さんに確認していましたね。

― 専有部工事が完了した後、2024年4月に新たなオフィスが稼働して、移転プロジェクトが完了したというわけですね。

移転プロジェクトの大まかな流れ

$$
\begin{array}{|l|l|} \hline
\text{ 移転スケジュール</b>} & \text{     日程} \\ \hline
\text{要件整理} & \text{2022年8月} \\ \hline
\text{各部門にヒアリング} & \text{2022年8月末〜9月頭} \\ \hline
\text{要件決定} & \text{2022年9月末} \\ \hline
\text{内装業者選定} & \text{2022年10月〜12月} \\ \hline
\text{内装の検討開始} & \text{2023年1月〜} \\ \hline
\text{竣工} & \text{2023年11月} \\ \hline
\text{オフィス引渡し} & \text{2023年12月頭} \\ \hline
\text{内装工事期間} & \text{2023年12月〜2024年3月} \\ \hline
\text{事前什器類移設作業日} & \text{2024年3月末} \\ \hline
\text{旧オフィス最終営業日} & \text{2024年4月頭} \\ \hline
\text{引越作業日} & \text{2024年4月頭} \\ \hline
\text{渋谷オフィス始業開始日} & \text{2024年4月8日} \\ \hline
\end{array}
$$

プロジェクトメンバー以外にも幅広い部署との連携が必要に

― 先ほど広報とデザイン部門の人もプロジェクトに参加したという話がありましたが、何を担当してもらったのですか?

デザイナーには、スペースデザインの担当として、内装業者の提案するものを検討したり、什器を選定したり、案内板やフロアマップなどの設置物をデザインしたりしてもらいました。
企業によってはデザイナーが不在ということもあるので、その場合は内装業者からもらう提案をファシリティ担当者が判断する形をとると思います。

また、オフィス移転は企業PRの良い機会なので、その対応が広報の役割でした。
プレスリリースの発信に加え、プレスリリースには書ききれない細かなこだわりの部分を自社のブログで発信するなどしてもらいました。

― プロジェクト進行中は通常業務もあったと思いますが、支障はありませんでしたか?

移転業務に7〜8割は取られるので、大変でしたね。
でも、什器の選定や内装の企画検討など、幅広く関わることができたので、なかなか経験できない分やりがいがあり、常に前向きに取り組んでいましたね。

― 業務量の波はありましたか?

引き渡し直前の2023年11月頃は決めなければいけないことが一気に押し寄せてきて、業務量がかなり増えましたね。細かい什器の数の確定とか。
発注をかけたらキャンセルができないので、数が本当に合っているのか、見直しする場合はいつまでにするとか、細かい部分の確認が多かったです。
あとは内装の素材や色の決定などもこの時期にする必要がありました。

― 最終チェックは気苦労も多そうですよね。

最終確認の段階で人員計画に調整があり、デスクの数を変更したこともありました。
それだけで数千万も予算が変わるので神経を使います。
人員増加を見越して多めに席を用意したほうが後々楽なのですが、予算との兼ね合いもあるので、最終判断は経理財務責任者と相談しながら行いました。
移転は年度を跨いでいたので、どの年度で予算計上するかの検討もありましたね。

― その他にも協力を仰いだ部署はありますか?

スペースデザインを作るときは法務にも協力してもらいました。
当社はリーガルテック企業なので、法務にまつわるあしらいを内装に取り入れたくて。
その中で、ゲスト会議室内に契約書の類型(典型的な契約書の型のこと)の解説文を入れたんですよね。
この解説文の法務チェックをお願いしたんです。

プロジェクトの成否はさまざまな意見の集約・調整によって決まる

オフィス内に設置されたフリースペース。全面人工芝を敷設しており、休憩時間にはごろ寝して談笑する従業員の姿も。

― 直接的に移転プロジェクトに関わった部署はそれくらいでしょうか?

そうですね。ただ、各部署にヒアリングはしていました。
例えば、営業部門は人数が多く、オフィス環境は商談にも影響するので、什器メーカーのショールームに一緒に見学に行って、机や椅子選びに意見をもらうことなどしました。

― どんな意見がありましたか?

隣や後ろの席との距離が近くて、商談中にお互いにうるさくなってしまわないかということを特に気にしていました。
なので、防音パーテーションを設置して半個室のような席にし、音漏れが最小限になるように配慮しました。

また、「ずっと席で商談しているので、席を離れて1人で休める場所を作ってほしい」という要望もありましたね。
前のオフィスにも自席以外の作業スペースを設けてはいましたが、数を増やし、より快適に過ごせる什器にしました。

― その他の部門からも要望はありましたか?

会議室が少ないという要望はよくありましたね。
特に当社は1on1の文化が浸透しているので、会議室が不足しがちだったんです。
オフィス移転にあたり会議室は前オフィスの約2倍に増やしました。

― LegalOnの開発部門はリモートワークの人が多いですよね。
席の用意はどのようにしたのですか?

おっしゃる通り開発はリモートワーカーが多いので、全員に固定席を用意せず、複数人兼用の半フリーアドレス席と固定席のハイブリッドで構成する想定だったんですよ。
一方で固定の出社日があるので、全員分の席を用意してほしいという声もありました。

運用とデスク数の合意を得るために、旧オフィスの出社率のデータを作って、この出社率であればこのデスク数で足りるはず、という資料を作りました。
それを元に、CTOと合意形成をとったんです。

― 新オフィスとなると、従業員から色々な意見や要望が上がりそうですが、そういった声を集めたり、協議したりしたことはあったのですか?

先ほど、プロジェクト初期にリーダーへのヒアリングをしたと言いましたが、同じリーダー層に向けて、レイアウトが大体固まった段階で中間報告を行いました。
聞きっぱなしにしてしまっては、理解を得るのも難しくなりますから。
それと、2023年の秋頃に全社に向けてパブリックコメントも募りましたね。

― それらの中で反対意見や改善要望があがることはありましたか?

どちらもある程度方向性が固まった段階での認識合わせに近い取り組みだったので、大きな改善要望はありませんでした。
追加で要望や変更希望があれば意見を伝えてほしい、くらいの温度感で投げかけたおかげかもしれません。
新オフィスが魅力的に伝わるように、資料は綺麗に作るよう心がけたことも影響しているかもしれません。

― 社内の合意形成で揉めるといったことはなかったようですね。
その理由はわかりますか?

経営層が特に気にするのはコスト面なので、そこがオーバーしないように留意したことがよかったと思います。
具体的には、予算限度に対して最低10%のバッファを確保していました。
必ずあとで「これも必要だった」ということが発生するので、それを考慮しても、余裕を持った予算配分が大切です。

従業員に対しては、パブリックコメントを募る時期に気をつけました。
早すぎても意見が発散して収拾がつかなくなりますし、遅すぎても意見を反映する余地がなさすぎて不満が溜まってしまうので。

移転後のスムーズな稼働開始が必須。移転直後も気が抜けない

― 新オフィス稼働のタイミングで工夫したことはありますか?

従業員が混乱しないように、社内周知やマニュアル作り、座席表の張り出しなどを徹底しました。
その甲斐もあって、移転初日はオフィスの使い方や出勤の仕方で問い合わせを受けることはあまりなく、ほとんどの方が自分の席まで問題なくたどり着けていました。

― 事前に説明会を開いて、引っ越し作業を丁寧に説明していたのも印象的でした。
あそこまで丁寧にしたのは何か理由があるんですか。

LegalOnは過去5回オフィス移転を行っているといっても、直近の豊洲オフィス移転後に数百人のメンバーが入社しているので、1度も移転を経験していない社員が大多数を占めていました。
そのため、チャットツールのテキストで周知するだけでは足りないと思ったというのが背景にあります。
そういう社員も理解しやすい資料の作成には力を入れ、細かいけど気になる点もしっかり内容に盛り込むようしました。

前オフィスの退去もスムーズに行えるよう工夫しました。
「残っているものは全て廃棄します」とあらかじめ周知しておいて、残っていたものは本当に廃棄しましたね。

大切なのは、従業員目線と各協力先との目線合わせ

― もし、全く未経験の方が移転プロジェクトに関わるとなった場合、まずどんなアドバイスをしますか?

従業員目線に立つことですね。
自分も従業員の一人ですから、自身の目線で働きやすいオフィスになっているか?という基準をもってプロジェクトを進めて行けば、そんなにずれることはないと思います。

あまり難しく考えずに、どういうオフィスだったら使いやすいとか、出社したくなるとかを考えてオフィスを作っていけばよいと思います。
私も、基本的には楽しく出社できるオフィスを作りたいという思いでプロジェクトを進めていました。
あとは華美な装飾は絶対に飽きるので、そういうオフィス作りは極力しないということも決めていましたね。
個人的にもすっきりした見た目のオフィスが好きなので、色味も極力抑えるようにしていました。

― 見栄えのするオフィスを作ろうとしすぎないのも一つの工夫なのですね。
他にアドバイスできることはありますか?

なるべく他社のオフィスを見に行くことをおすすめします。
私も今回のプロジェクトにあたり、何社か見に行きました。
そのあてがない場合は、内装業者のオフィスを見せてもらう手もあります。
内装業者はお客さんに見せる前提で自社オフィスを設計しているところが多いので、むしろ見に来て欲しいと言われると思いますよ。

― 外部協力先との付き合い方で何かアドバイスはありますか?

認識合わせを細かく丁寧に行うことですね。
そうしないと例えば、施工業者との認識のずれがあったために設置したい設備が設置できなかった、ということもあります(ありました)。

特にそうした問題が工期ぎりぎりで発覚すると、納期と実現したいことのどちらかを優先して選択しなければならなくなります。
そんな時は頭が真っ白になることもあるかもしれませんが、そういうときこそ実現したいことは何かを改めて考え、しっかり話し合うことが大切になります。

オフィスを使うのは私たちなので、「あちらはプロだから」とまる任せにせず、一つひとつ自分たちで確認することは大切だと思います。
ただ、後半になるほど確認しなければいけないことも増えるので、細かい認識合わせは大変になってくるのですが(苦笑)。

― 今回の移転プロジェクトを総括した感想を教えてください。

会社としてメンバーが100%プロジェクトに力を入られる状態にしておくのが大事かなと。
ただでさえプロジェクトメンバーは通常の業務もこなしながら担当することになるので。
ただ、どうしても負担は多くなってしまうので、やりがいを持って取り組む必要もあると思います。

【担当者に聞いた】 オフィス移転におけるセキュリティ、ネットワークまわりのヒント

ゲスト用会議室エリアは「法」を扱う企業であることを意識して、インテリジェンスな雰囲気に。

プロジェクトメンバーである、セキュリティとネットワーク担当者にもオフィス移転における苦労や工夫、これから移転に関わることになる方へのアドバイスを聞いてみました。

【セキュリティ担当】
菅野 有沙(すがの ありさ) IT&セキュリティグループ

― どのような業務に携わりましたか?

以下の業務を担当しました。

  • オフィス内に設置する入退室管理システム、監視カメラなどのセキュリティ設備の選定。

  • ビルの来訪者受付システムの運用開始準備。例えば、運用ルールの策定や従業員への周知など。

  • プロジェクト進行中のセキュリティ管理に関する交渉と調整。例えば、工事中の作業員の方たちの入退室ルールの作成など。

― プロジェクトの中で苦労したこと、工夫したことを教えてください。

各ベンダーと日ごろからコミュニケーションを取りながら細かな部分を決めていきましたが、この点が大変でした。
そのため、スケジュール管理に余裕をもたせて進行管理をしていました。

新オフィスで工夫した点としては、カードキーでの入退室が可能になる「入退室システム」の設置箇所を増やしたことです。
旧オフィスでは倉庫や収録スタジオなどは物理キーを貸し出す運用をしていて、その手続きの負荷が大きかったためです。

また、従業員が入室用のセキュリティカードを忘れてくるケースが想定されたので、そんなときでも来訪者受付システムを利用してスムーズにオフィスに入室できるよう、Slack上にワークフローを仕込んだのも工夫した点です。
Slackに「セキュリティカードわすれた」と書き込むだけでフローが表示されるのでとても簡単です。

― プロジェクト進行中に印象的なエピソードはありましたか?

設置工事の時に問題なく作動していたカードリーダーの一つが、オフィスオープン前日になって反応しなくなったことがあり、とても焦りました。

― 今後、同じ立場で移転プロジェクトに関わることになる人へのアドバイスをお願いします。

基本ではありますが、担当する範囲の必須要件と任意要件を整理してから取り組むことが大切だと思います。
なぜなら、要件整理ができてさえいれば、途中で変更や調整が発生しても迷わないからです。
今回も、さまざまな事由があり、もともと立てていたセキュリティ設備の設置計画内容から大きく変更する必要が出てきましたが、必須・任意要件をあらかじめ定めていたため、柔軟に対応することができました。

移転プロジェクトは多くの人が携わる大きなプロジェクトです。
大変ではありますが、社内外と調整しながら物事を進める点で勉強にもなりますし、良い経験になります。
もし、移転の話が会社で挙がった際には、積極的に手を挙げてみることをおすすめします。

【ネットワーク担当】
石井 宏幸(いしい・ひろゆき) IT&セキュリティグループ

― どのような業務に携わりましたか?

コーポレートIT部門が管理・運用する、サービスや機器の新規調達や移設対応に関わりました。
担当範囲は幅広く、具体的には、

  • 社内ネットワーク関連
    インターネット回線の選定、開通までの各種対応/ネットワーク機器の選定と設計、各ベンダーとの交渉/ベンダーへの物理配線指示/サーバールーム・ラックに関する要求事項洗い出し/各種社内通知/旧オフィスの原状回復に伴うインターネット業者との調整

  • 代表電話の移設対応
    クラウドPBX業者やインターネット回線業者との移設日程調整

  • 複合機の移設や新規契約
    ベンダーへの移設依頼とリース契約と各種調整/従業員へのプリンタドライバーの配布や関連情報の周知

  • その他
    物理配線やサーバールーム構築に関して内装業者との各種調整・交渉/社内関連部門との調整

※ クラウド上に電話交換機(PBX= Private Branch Exchange)を設置し、インターネットを介して電話機能を利用できるサービスのこと。

― プロジェクトの中で苦労したこと、工夫したことを教えてください。

移転プロジェクトに限らずですが、自分たちのタスクをこなすために、その前提となるタスクの完了期限や完了予定期日を定期的に関係各所へヒアリング・調整する作業はとても苦労しました。
例えば、ネットワーク機器を新オフィスに設置するにしても、「サーバールームができあがっていること」「電源が通っていること」「ラックが設置されていること」は前提になります。
これらはいずれも外部企業と役割分担が必要なので、調整しながらスケジューリングする必要があります。
流動的なスケジュールの中で期限までにタスクを完了させるために、日程をプロットする作業は神経を使いました。

工夫したのは大まかに以下の2点です。

  • なるべく従業員側へ負担を掛けることなく新オフィスで業務を開始してもらうこと

  • 従業員から挙がっている課題の中で、解消するのに負担が少ない課題は移転のタイミングで解消することなどがあります。

いくつか具体例を挙げると、

  • Wi-Fiの認証方式は既存のものを踏襲し、移転後に即インターネットを利用できるようにした。

  • 代表電話の移設は、架電がある平日は避け、休日に行った。

  • 営業部門は商談があるので、安定性を重視して全席有線LANを敷設した。

  • 全社で利用しているVPNソリューションを変更。移転前3週間程度、動作検証期間として社内に開放することで、事前に課題を発見、潰すことができた。

― プロジェクト進行中に印象的なエピソードはありましたか?

実は移転初日からネットワーク機器が故障し、待機系の機器へフェールオーバーしてしまったのです。
この機能が正常に動作したおかげで業務影響はなく初日を乗り越えることができましたが、内心ひやひやしていました。
それでも「初日からネットワークが利用できてすごい」という声が聞けたのはうれしかったですね。

― 今後、同じ立場で移転プロジェクトに関わることになる人へのアドバイスをお願いします。

移転のタイミングで現環境の課題を解消しようと考える方は一定数いるかと思います。
その取り組み自体は悪くないのですが、「移転」というイベント自体が従業員目線で見ると大きな変更タスクです。
ただでさえ、通勤経路が変わったり、オフィスビルの細かな部分でのルール変更を把握しなければならなかったりなど、負荷が高まることが想定されます。
そこにさらにIT関連の仕様変更で追加のオペレーションを求めると、従業員は混乱してしまう可能性が高いです。
ですから、ユーザーの負荷、プロジェクトを遂行する自分たちの体制やスケジュールを加味して、必要最低限に絞った変更に留めたほうが、結果的に移転プロジェクトは成功すると思います。

いかがだったでしょうか。
このようにオフィス移転は、社内・社外問わず多くの人が関わる一大プロジェクトです。
そしてそこで発生してしまった課題は、そのオフィスを利用する限りずっと続くものになるかもしれません。
この記事が、皆様のオフィス移転の成功に少しでも役立てていただけたら何よりです。

LegalOn Technologiesは、新しく仲間になってくださる方を募集しています!
詳しくは、【求人一覧】をご覧ください。

▼採用サイト


最後までお読みいただき、ありがとうございました!