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スタートアップ企業で新しいキャリアを築いた弁護士 家庭と両立しながら挑む「法務開発」とは?

IT企業の社内弁護士、国会議員秘書を経て、2021年12月にスタートアップのLegalForceに参画した弁護士の今野。なぜ弁護士がLegalForceでの「法務開発」という開発部門に身を置くことを決めたのか、家庭と仕事を両立させる「ワーパパ」としての日常とは!?大いに語ってもらいました。

<プロフィール>
今野悠樹(こんの・ゆうき) 
弁護士/和文コンテンツ課 係長(ひな形係)
1986年生まれ。早稲田大学法学部、東北大学法科大学院卒業。2014年に司法修習修了。2015年、日本最大級のポータルサイトを運営する大手IT企業入社。企業内弁護士として契約交渉から業界団体・官公庁との折衝まで幅広い業務に従事。2018年より、衆議院議員の政策担当秘書として執務し、議員立法や国会質疑のための調査分析や政策立案、その他議員活動全般の補佐を担当。2021年12月にLegalForceに入社し、法務開発、法律コンテンツ制作等を担当する。

インハウスローヤーと議員秘書を通して、社会のルールづくりに汗を流した

―― まず今野さんが法曹を目指した理由を教えてください。

きっかけは大学時代、社会保障法のゼミに入ったことでした。講師として来てくださった弁護士の先生が、社会的弱者の抱える課題を、訴訟を通じて社会へ問いかけ、解決へと導く活動をしていました。先生の活動を知り、弁護士には法の力で社会をデザインしていける可能性があると、法曹を目指すようになりました。

―― みごと司法試験に合格し、司法修習の後すぐ、企業内弁護士(インハウスローヤー)としてIT企業に入社されたんですよね。

社会を変えられるテクノロジーに、自分も関わりたいという気持ちがありました。民間企業でありながら「政策企画部」という部署があり、立法府や行政府に、現代社会にそぐわないルールの改正などを働きかける“パブリックアフェアーズ”に力を入れていたので、自分がやりたいことと近いと思ったのも入社の決め手でした。

入社後はその政策企画部で、ロビイングや、会社としてのポリシー策定などを担当。法務部でも、契約書審査や許認可の取得、ビジネススキームの検討などに関わっていました。

特に、業界全体にも影響のあるガイドラインづくりに関われた点は貴重な経験でした。インターネット上で、ユーザーは基本的に自由に振る舞うことができますが、誹謗中傷や不正転売など、社会の害悪につながる行為は一定程度制限せざるを得ません。それらについて、社外の研究者や実務家の方々と議論しながら、ルールをつくっていくことができました。

―― その後は、国会議員秘書に転身したのですね。

政府にルールづくりを働きかけるのは、ルールが策定されるまでの仕組みを知らないと難しいと感じていました。国の仕組みやルールを誰がどう決めているのかに興味もあって、知人である衆議院議員から誘っていただいたのをきっかけに、政策担当秘書になりました。

担当していたのは、内閣提出の法案を調べて、国会での質疑の準備をしたり、議員が実現したい政策や法案をつくるための調査・立案などです。議員を通じて法律をつくる現場に身を置けたことは得難い経験でした。小さいながらも、社会の形成に関わっている実感を得られましたね。

「LegalForceでなら変えられる」 現場で課題を感じていたからこその思い

―― LegalForceへの転職を考えた背景を教えてください。

もともと秘書の仕事は「ひとまず次の衆議院解散まで」と考えていたので、2021年秋に転職活動を開始しました。LegalForceのことは雑誌などで知っていたし、自分が民間企業や永田町で感じていた課題をド直球で扱っていました。エージェントから提案されたとき、直感的に「ここしかない」と思いました。

―― 感じていた課題とはどういったことですか?

定型的な案件に多くの時間を割いていることと、知識の属人化です。例えば契約書作成では、過去に扱った契約に関する知見が共有されていない場合があり、その都度調べたり、前任者に相談しながら業務を行う必要がありました。このナレッジシェアの遅れは、企業法務全体の課題だと感じていました。

また、国会の業務はDXが課題でした。議事録、法案資料、事務連絡に至るまで、ほとんどが紙。通信手段もFAXがまだまだ現役でした。

―― LegalForceなら、それらを解決していけると考えたんですね。

はい。面接でも、「一緒に法務を変えていこう」という強い思いや、「リーガルテックは単なる効率化ではなく、法務の質を高めていくもの」という考えに触れることができました。それまでのキャリアとの親和性もありましたし、LegalForceなら、AIという最新のテクノロジーで、法務や弁護士の仕事をアップデートしていけると思いました。

入社3か月でM&A関連新機能をリリース 柔軟な働き方で家庭との両立も

―― 入社後の業務を教えてください。

おもに「LegalForce」の契約書レビュー機能・案件管理機能の開発や、ひな形の企画・管理を担当しています。セミナーの講師や取材への対応をすることもあります。

今まさに発展中のリーガルテックに携われていること自体、ほかでは得られない貴重な経験です。マーケターやエンジニア、デザイナーなど、さまざまな職種のメンバーと、日々コミュニケーションをとりながら開発ができることも、とても良い刺激になっています。

―― 入社してから印象に残っていることを教えてください。

自動レビューの契約類型として、M&Aに関する株式譲渡・事業譲渡をリリースしたことです。入社3か月目で取り組んだ案件を無事にリリースできたので、達成感が大きかったですね。

M&Aは扱う金額も多額になり、契約も複雑であるため、弁護士がレビューするのも大変です。「LegalForce」でレビューできるようになったことで、M&Aを取り扱う企業法務関係者にとって大きな課題解決になったと思います。「これを機にLegalForceを導入しました」と、弁護士の先生方から良い反応もいただけたのは嬉しかったです。

―― 「ワーパパ」として、仕事と家庭の両立にも取り組んでいるんですよね。

そうですね。妻と家事を分担しながら2人の子どもを育てていますが、不都合はありません。上司もその点をしっかり考えてくれているので、在宅でできる仕事の範囲を広げたり、保育園へのお迎えなどで早めに帰宅することも柔軟に受け入れてもらえています。

夏に第二子が生まれたときも、出産前後は妻のサポートもあり、時間的にも体力的にも厳しかったんですが、業務ペースをうまく調整しながら働くことができました。

自分が正しいと思った道を選ぶ。これからの弁護士の働き方

―― LegalForceの法務開発、法律コンテンツ制作の醍醐味はなんですか?

自分の培ってきた知識や経験をサービスに搭載して、幅広いユーザーに使ってもらえることですね。「LegalForce」は、法令や実務の積み重ねから一般化できる知識をシェアし、脱属人化により、契約書の品質向上、業務効率化を実現できるツール。業界のリーディングカンパニーとして、新しい法務のスタンダードをつくっていけることに、やりがいを感じています。

――  最後に、いまキャリアに悩んでいる弁護士の方へ、アドバイスをお願いします!

私は弁護士としてはまだ若手で、偉そうなことは言えないのですが…。そもそもキャリアについて過度に悩む必要はないと思います。

魯迅の小説「故郷」には、「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ」という一節があります。世の中は目まぐるしく変化していて、今魅力的と思われているキャリアでさえ、陳腐化してしまう可能性がある。キャリアパスを予め描くよりは、そのとき自分が本当にやりたいことや、社会に求められていることを仕事にしていったほうが、後々振り返った時に自分が理想とするキャリアになっているのではと考えます。結果として、自分にしかない唯一無二のキャリアを築くことができ、自信につながっていくのだと思います。
例えば私がIT企業に入った当時は、企業内弁護士は今ほど多くありませんでした。ファーストキャリアが民間企業だと、「どこの法律事務所にも入れなかったんじゃないか」と思われるほどだったんです。今では一般的になってきて、転職市場でも魅力的なキャリアになっていますよね。

どんな道が正しいかは、誰にもわかりません。だから、やりたいことの軸をしっかり持って、自分が正しいと思った道を進んでいってください。自分が先駆者として新しい道を拓いていけるかもしれませんから。


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