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*連載*なぜ、NY州弁護士に? 弁護士になるまでの人生、どのようにして弁護士になったのか。

こんにちは。広報の阿部です。
今回はAI契約審査プラットフォーム『LegalForce』と、米国で展開しているAI契約レビュー支援ソフトウェア『LegalOn Review』の法務コンテンツを手がけているNY州弁護士の蒲にインタビュー。
NY州弁護士になるまでの人生、企業内弁護士になってからLegalOn Technologiesに参画するまでを語ってもらいました。全2記事でお伝えしていきます。

弁護士を目指したきっかけは、WHOの医師である父の背中を見て…

─ まずは蒲さんの生い立ちについて教えてください!

生まれは東京ですが、人生の3分の2は海外生活です。
6歳から高校生までは父の仕事の都合で、ネパール、インド、日本、バングラデシュを渡り歩いていました。
通う学校はアメリカンスクール、日本にいても帰国子女の学校でしたので、外では英語を、家庭では日本語を話していました。

その後渡米し、イリノイ州 ゲイルズバーグというところにあるノックス大学に進学しました。
ちょっと街を離れれば360度とうもろこし畑が広がる、映画のワンシーンに出てきそうな田舎町でした。
遊ぶところは映画館くらいで、寮も大学内にあったのでキャンパス内で全て完結する生活を送っていましたね。

─ 幼少期からとてもグローバルな生活をされていたのですね。
いつから法曹を目指したのでしょうか?

父の影響で、高校時代から意識し始めました。
当時父は世界保健機関(WHO)に所属する公衆衛生学及び国際保健学のエキスパート、そして医学博士として、発展途上国やアジア各国の疫病を撲滅するべく活動をしていました。
父の背中を見て医者という道も考えたのですが、自分にはどうにも理系が向かなくて……

医師以外で国際的な架け橋となり、人や社会に貢献できる仕事として、法律のエキスパートである弁護士を考えたのです。
そして大学に進学し、受験を経てロースクールに入りました。

NY州を選んだ背景は? 週105時間働いた派遣時代

─ 米国は州ごとに弁護士制度があるようですが、なぜNY州を選んだのですか?

NY州弁護士の需要の大きさと業務範囲の広さに魅力を感じたからです。
きっかけは、ロースクールを卒業後、「NYでeDiscovery※に関する大きな訴訟がらみのプロジェクトに、派遣として働いてみないか」とオファーをもらったことです。
そこで働く中で、NYは思った以上に国際都市であり、案件数も関われる業種・業務範囲も幅広いということを実感しました。

米国では州によって経済力に格差があったり、ドメスティックな傾向の州があったりします。
そういった他の州と比較しても、NYは自分にできる範囲に制限がないと思えました。

※eDiscovery:「証拠開示手続き」と言われる米国民事訴訟の手続きが電子化され、「電子証拠開示制度」として定められた制度

─ eDiscoveryのオファーはどうしてもらえたんですか?

恐らくですがLinkedin経由で経歴を見たんだと思います。
ちょうど英語と日本語を扱える人間が必要で、そういった人材があまりいなかったようです。
私もロースクールを卒業したてで、エクスターンシップも無償。法律事務所も就職氷河期で大量解雇をしているような状態。ちょうど手っ取り早く稼ぐ方法はないかと探していたところだったので、渡りに船でした。

なお、eDiscoveryの派遣オファー後、勤務先では一週間で土日を含め105時間くらい働いていました……。
大変でしたが、この時期多くの人はインターンシップの機会さえなかったんです。がむしゃらにしがみついていましたね。

─ その後はNY州の司法試験を?

ある程度お金を稼いで予備校に通い始め、その後に司法試験を受験、合格しました。
しかしNY州の司法試験は受験生が多く、合格してもすぐに弁護士になれるわけではありません。
適性判断のための面接があり、その後に裁判所に行って宣誓をしないといけないのです。
宣誓を受けてやっと弁護士になれるのですが、実は司法試験に合格してから宣誓をするのに半年〜1年はざらにかかります。

ただ、私の場合は面接官が裁判官だったこともあり、運よく早まったんです。
司法試験合格後に前職である東京エレクトロンの米国本社に就職が決まったのもあり、会社があるオースティンに引っ越す必要があったのですが、直接裁判官にお願いすると「いいよ!」と軽く返事が来て、「2週間後だったら大丈夫だから、この日に宣誓しちゃおう!」と決まりました。
宣誓して晴れて弁護士になり、翌日にはオースティンに引っ越しました。

─ 就職氷河期を乗り越え、NY州弁護士として華々しく弁護士デビュー。一体どのような経緯で日本のスタートアップに参画したのか!?
次回は弁護士になった後の人生と、契約実務の課題、LegalOn Technologiesに入社した背景について紹介します。
(つづく)

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