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グローバル開発チーム1人目のエンジニアが語る、海外向けプロダクト開発の魅力!

LegalOn Technologiesは、2022年9月に米国子会社を設立し、2023年4月には現地向けAI契約レビュー支援ソフトウェア「LegalOn Review」を正式リリースしました。
今回登場するのは、グローバル開発チーム1人目のエンジニアとして、米国から開発をリードする森。
LegalOnへの参画のきっかけや、アメリカでの開発の裏側、日本・アメリカの文化を跨いだ開発の難しさやその醍醐味について聞きました。
後編:グローバル開発チームについて EMインタビューはこちら!


森 貴章(もり・たかふみ)LegalOn Technologies (USA) - Head of Engineering
情報系の大学院を卒業後、ソフトウェア開発者を経て新規事業・CVC に従事。グローバル開発のプロジェクトマネジメントや、米国での現地開発を経験したのち、コンサルティングファームに転職。AI開発チームのマネージャーを経て、2022年10月からLegalOnに参画。グローバル開発の第一人者としてプロダクト開発を牽引する。

「日本のエンジニアは世界と戦える!」アメリカでの開発経験を生かしLegalOnに参画

― 森さんは、LegalOnに入社される前にもアメリカでの勤務を経験されたんですよね。

新卒で入社した電機メーカーで、ソフトウェアエンジニアとして4年ほどアメリカ西海岸に出向していました。
大変だったのは、日本とのコミュニケーション。
言語や物理的な距離や時差の問題があって、現地でのコミュニケーションも、日本に現地の実情を伝えるのにも苦労しました。
一方で、実際に現地のエンジニアたちがコードを書いているのをみて、日本のエンジニアの開発力がアメリカに全く劣っていないこともわかったんです。
日本の会社も、アメリカの市場で成功できると強く感じましたね。

帰国後は、コンサルティングファームに転職。AIラボの立ち上げに携わり、クライアント案件のみならずさまざまなサービスの開発に従事しました。
チームも軌道に乗り、すごく充実していたのですが、「いつかアメリカにもう一度行きたい」という思いはずっとありました。

― 二度目の渡米で、チャレンジしたいことがあったのですか?

一度目で経験した日本とアメリカとのコミュニケーションの壁を、次に挑戦するときは克服できると思いました。
ソフトウェア業界はアメリカの企業が強いですが、日本企業も成功できるはず。
必要なのは、ネックになっている文化のギャップを埋めること。
「そこを自分がやれば、グローバルプロジェクトを成功させられる」と考えたんです。一度目の経験を生かして、リベンジですね。

― そのチャンスがLegalOnにはあったと。

明確に転職を決めていたわけではなかったんですが、アメリカに進出する企業を探していたときに、LegalOnからアメリカ出向を前提としたオファーがありました。
最初の面談で感じたのは、弁護士であるCEOの角田さんが、プロフェッショナルとしてリスペクトをもって接してくれたこと。
エンジニアを下請けのように扱う企業もある中、多様なジャンルの専門家が力を合わせるLegalOnの姿勢が見えて、自分とマッチすると思ったんです。
一定の責任と裁量のある立場で参画できることも決め手でしたね。

多様性に富んだメンバーと共に、本当に必要とされるプロダクトを追い求める

― 2022年の秋、グローバルプロジェクトに携わる一人目エンジニアとして入社され、まずは何から着手されましたか?

僕ともうひとり以外に開発メンバーがいなかったので、まずは採用から始めました!
それと、プロダクトのリリース時期が決まっていたので、スコープを固める必要がありました。
日本で展開している「LegalForce」のどの部分をドロップ・ローカライズしてアメリカ向けの「LegalOn Review」として提供するか、事業戦略企画メンバーと一緒に決めていきました。

ー グローバル開発チームの立ち上げから1年半ほど経ちましたが、改めて現在の開発体制について教えてください。

グローバル開発チームは国内本社をベースに、米国支社と連携して開発を進めています。
現状、日本側のチームは10人ほどで、 アメリカ・中国などの出身者や、海外経験のある日本人など、多様なバックグラウンドのエンジニアが集まっています。
米国支社には、ビジネスサイドのメンバーに加えて、私と現地のプロダクトマネージャー(PdM)、AIの責任者がいます。

立ち上げ当初に比べ組織も大きくなり、メンバーの多様性に富んだチームであることが、開発にも良い影響を与えていると思っています。

― 例えば、どんな影響でしょうか?
          
バイアスをもち過ぎず、現地のユーザー課題に向き合えることですね。

グローバル進出においては「もしかしたら違う考えのユーザーがいるかもしれない」とゼロベースでディスカッションして、本当に必要なものを考えることが重要です。
私たちは現地の人間ではありませんが、そこを意識しながら、現地のユーザーが喜ぶものをつくりたいと思っています。

国や地域、ユーザーによって、持っている文化や感覚は異なります。特に日本国内で日本人向けのビジネスをしていると、「自分はこう思うから、こんなプロダクトがいいはず」と自分とユーザーの感覚を同一視して考えがちです。
それももちろん大事ですが、日本人の感覚は相対化された一つの視点にすぎません。

その点、私たちのチームは多様な文化をもった人が一緒にいることで、各メンバーがいろいろなことを「当たり前」と思わず、他者の「自分とは違う感覚」を理解して、コミュニケーションできているのは大きいです。
日本&アメリカのチーム間でも密に連携して、アメリカ市場で本当に求められているものは何か、日々模索しながら開発しています。

― コミュニケーションのハードルを感じることはありますか?

メンバー全員英語が使えるので意思疎通に難しさはありませんが、文化的な背景の違いから、すれ違いが起こることはありますね。そういう場合は、うまくフォローを入れるようにしています。

例えば日本人は、前提や背景から話をする人が多いですが、アメリカ人は結論を先に話すほうが一般的です。
会議中にいきなり「日本スタイル」で話が始まると、アメリカ人メンバーは困惑してしまうので、「これは背景を説明しているんだよ」と説明するようにしています。
また、日本側の外国人メンバーは日本語も理解できるので、日本語でディスカッションすることもありますが、できるだけ複雑な言い回しは避けて、わかりやすい言葉を選ぶように意識しています。


最新技術の展開と開発スピードの速さはアメリカ市場ならでは!

― 現地での開発環境で、日本と異なる部分はありますか??

ひとつは、最先端の技術が入ってきやすいことです。
顕著なのは2022年末に登場したChatGPTで、翌年の春にはプロダクトに載せてきた企業がありました。
競合企業が新しい技術を瞬く間に採用するので、私たちもスムーズに取り入れていかなければ、と。

もうひとつは、開発スピードがかなり速いことです。
日本市場では、早く未完成のものを出すより、時間がかかっても品質の高いものを出すことを求められます。
開拓精神の残るアメリカではその逆で、「完全ではなくても、新しいものを早く使えた方がうれしい」という考え方を持っている人が多い。
「一度リリースして市場の感覚を確かめてみよう」というスタンスでチャレンジングな仕事ができるのは、アメリカならではですね!

― 正式版をリリースした4月以降もどんどん新機能を搭載していますよね!

そうですね。LegalOnの開発スピードは、ゼロからアメリカ進出をしている日本のソフトウェア企業としては、かなり速い感覚があります!

― 今後のチームの展望を教えてください。
 
今後は、チームをさらにスケールさせていく必要があると思っています。
ここまで立ち上げ優先、開発スピード重視で進めてきた分、組織体制などはまだまだ整っていない部分も多いので、各メンバーが権限をもって自律的に動ける体制を整えていくことが課題。
標準的な開発プロセスを定めたり、コンテクストの部分を適切に共有するなど、新しいメンバーも入りやすい組織を目指していきます。

もうひとつは、市場との対話とクイックなフィードバックを続けていくこと。
今は、ロードマップを立ててその通り進める形ではなく、「LegalOn Review」に対する市場の反応を見ながら複数の機能を同時に開発しています。
具体的には世の中の動きや競合の動き、Salesが聞いたお客様の要望や、実際に使って遭遇したトラブル、そういうものに早急に対応する体制を整えています。
規模が大きくなってもこれを忘れないようにすることが大事です。
自社の論理ではなく、ニーズのあるものを作ることが何より大事ですから。
これからも、現地にフィットする、必要とされる機能をリリースしていきたいと思っています。

― どんな方と一緒に開発がしたいですか?
 
日本のソフトウェアエンジニアの力を世界へ発信したい人です。
日本のエンジニアは世界に通用する力を持っている。「ビッグテックに負けないぞ!」という気持ちのある方に来ていただきたいですね。

あとは、「自分の常識はあくまで相対的なもの。絶対的な常識はない」と知っている人、開発メンバー以外のビジネスサイドともコミュニケーションを取れる人だとうれしいです。
日本から遠いアメリカのユーザーにフィットしたものをつくるには、PdMなど現地の仲間たちと力を合わせることが必要です。

― 森さんご自身がチャレンジしたいことも教えてください!

アメリカでの事業の成功につながることなら、開発に限らず何でもやっていきたいですね。
LLM(大規模言語モデル)の登場など、日本の契約書市場も大きな変化にさらされていますし、日本とアメリカとでシナジーを生み、各市場でのLegalOnの成功に貢献できたらと思います。

もっといろいろな国で仕事をしてみたいという気持ちもあります。
あたたかいところが好きなので、LegalOnが中南米なんかに進出しないかなと個人的に思っています(笑)。

▼後編:グローバル開発チームについて EMインタビューはこちら!

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